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Chapter2 Matthew Cuthbert Is Surprised

第ニ章 マシュウ・クスバートの驚き

Precious words 忘れられない言葉1


村岡花子訳文(新潮文庫 赤毛のアンより)

これから小父さんといっしょに暮らして、小父さんの家の人になるなんて、まあ、なんてすばらしいんでしょう。あたし、いままでどこの家の者でもなかったんですもの--ほんとうの家族としてはね。


英文

Oh, it seems so wonderful that I'm going to live with you and belong to you. I've never belonged to anybody-not really.


語の持つ力

wonderful
prettyでもなくbeautifulでもなく、wonderがいっぱい wonderを日本語的に理解しないで・・・
belong to~
~に属する。~の所有である。あえて、誰かに属することを、誰かのものになることを願ったアンの心を良く表現している

受講生のコメント

この少女の身の上が語られるのはもっと後の章になる。でも、私たちは、まだ名前も知らないこの少女の言葉の端々から、 家族を知らずに育ったんだなっていうことが察せられる。
一方、原文をみてみると、家や家族を表すような単語は見当たらない。 その代わり使われているのがbelong to~(~の所有である)という言葉だ。 「小父さんの家の人になるなんて、まあ、なんてすばらしいんでしょう」という言葉に込められたL.M.モンゴメリの意図が伝わってきて、胸が熱くなる。 ここで重要なのがwonderfulという語。山本先生の解説によると、日本語になってしまっているワンダフルとは全然違う。 wonder=脅威・奇跡(キリスト教徒にとって奇跡とは神の神秘。人にはよくわからない領域)それがful(いっぱい)なのだから、これ以上のものはないくらいにすばらしいということなのだ。 この原文を「あたし、いままでどこの家の者でもなかったんですもの--ほんとうの家族としてはね。」と訳された村岡花子先生もwonderful!!
少女の頃より、もう何十回読んだかわからない物語なのに、日本語と英語、その言葉の趣の違いを知ることによって、まるで新たな金鉱を発見したかのような驚きと新鮮な感動に包まれる。私がこの講座の面白さにはまった瞬間です。